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2021/03/04

けん玉と『アフォーダンス』(※多分正確なアフォーダンスという言葉の使い方ではありません)

けん玉と『アフォーダンス』(※多分正確なアフォーダンスという言葉の使い方ではありません)

※アフォーダンスとは環境が与える「意味」のこと

 

 

確か2016年頃だったといますが、ある野球の投手のイップス改善のアドバイスを求められた事があります。

 

専門外なので軽く参考程度にして下さいという前置きで実際のスローイングを見させていただきました。

 

その投手は、明らかに腕のテイクバックに力感があり、それによってボールを握る圧力が高すぎるように見えました。

オーバースローなので、テイクバックでボールは頭よりも高く上がるわけですが、肘を後ろに引っ張り上げるような動きの延長線上にテイクバックされていました。

おそらく『もっと力を抜いて』『もっとリラックス』系のアドバイスはいやになるほど散々されてきていると思われました。かえってどのくらいの強さでボールを握れば良いのかさえわからなくなってしまって迷いが出てしまっているようでした。

そこで、

「ボールを力で引っ張り上げるのではなく、けん玉の玉のように下半身でボールを浮き上がらせるようにしてはどうか。

浮き上がらせるモーメントの延長線上で、肩の外旋を受動的にされるようにします。

ちょうどけん玉の玉がボールで、腕が紐のように使えるイメージです。あとは下半身に腕を振らせるという感じ。」

というような提案をしました。

 

その後はかなりいい感じを得られるようになったそうです。

しかし、これは決して私のアドバイスが良かったわけではありません。

専門外で的外れなところも多々あったであろうところ、たまたま選手にけん玉のたとえがかろうじて伝わったからだと思います。

 

これはたまたま「けん玉に対するアフォーダンスが一致した」ということなのかも知れません。

私は安易にけん玉に例えてしまいましたが、

けん玉をあまりやった事がない人が感じとるアフォーダンスは、手先で玉を空中に上げて、その下に皿を持ってくるという事になると思います。

それが、けん玉の心得がある人にとっては、腕ではなく下半身を使って「地面反力」(当時は知らなかった便利な言葉)で玉を浮き上がらせる事が自然なアフォーダンスとしてとらえられたということです。

同じけん玉でも、初心者と上級者の受け取るアフォーダンスは違うという事ではないかと思います。

 

ということは、ゴルフも初心者がゴルフクラブから受け取るアフォーダンスと、上級者になってからゴルフクラブから受け取るアフォーダンスは違うということになります。

 

このようにして、

ゴルフのアフォーダンスについて考えた事は、日々のレッスンにかなり生かされています。

 

ゴルフのアフォーダンスについてはまた後日…

 

 

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