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2021/05/10
アスリートにおける『書く』ということの重要性
池江璃花子さんのtwitterが話題になりました。
(事の問題の本質は評価が難しいので置いといて、)
今回の池江璃花子さんの気持ちの表明は、本人のメンタルにとってはとても良いことであったのではないかと思います。
今オリンピックを目指すアスリートとしては、誰もが不安な状況であろうと思います。
選手の関係者やコーチによっては『開催するのか、中止になるのか問題』を考えさせないように気を配って準備に専念させているケースも多いかと思います。
余計なことを考えさせない周囲の配慮はもっともなのですが、「全くネガティブな事は考えない」のは現状不可能な状況です。
メンタルコントロールとしては、
一旦、問題と向き合い、自分の気持ちを書き出す事で脳内の思考が整理されて、課題の分離を促す効果があります。
このような気持ちである事の表明は本人にとって、意識の外側に『課題を分離』することにつながり、長い目で見ると競技への悪影響の連鎖を断ち切りやすくなります。
これをモヤモヤしたまま放置すると、忘れようとしていたはずのものが再び頭の中を回りはじめる悪循環が起きます。
このとき、自分の気持ちや問題点を『書く』習慣のあるアスリートとそうではないアスリートに差が出てきます。
プロゴルファーのイップス改善においても、
メンタル面に作用する方法として欠かせないのが、課題の分離のための、
『課題の言語化』です。
自分に何が起きているのかや懸念事項を正確に言語化する作業です。
ネガティブな事に向き合うことは、臨床の精神医学の現場ではトラウマの扱いで賛否が分かれるところもあるのですが、
ことスポーツの世界においては、自分に起きている事を言語化する能力は一流アスリートになるには必須の能力である事は明白な事実です。
これができていないと、
得体の知れない不安感やモヤモヤがいつまでも頭の中に住み着いてグルグル回ってしまいます。
これが『マインドワンダリング』という状態です。
この状態だと、本当の意味でポジティブになる事が出来ずに、ポジティブなワードを使っても空回りし続けることになってしまいます。
一旦受け入れて、向き合い、言語化してアウトプットして意識の外に引っ張り出して客観的に評価し、不必要な事を仕分けすることが大切です。
言語化の内容は必ずしも世間に発表する必要は無く、課題を自分の意識の外側に出す訓練は若いうちにやっておく事に越した事はありません。
これはメンタル成長のプロセスとしても重要なステップです。
やり方としては、三つのポイントをしっかりと抑える事、
①失敗をどんどんする
そしてその失敗を評価、分析をする。
(トライアンドエラー→フィードバック)
②そして自分で決断する
(トライアンドエラー → フィードバック)
③そしてアウトプット、言葉で表現する
(トライアンドエラー → フィードバック)
※どのプロセスでも、トライアンドエラーからのフィードバック(試行錯誤からの評価分析)をする事で同じ失敗を繰り返さない予防になります。
そこの最重要キーポイントが、
『書く』というアウトプットです。
これが苦手な選手は同じ失敗を繰り返します。
若い選手は嫌がらないでこのような【書く】ということの重要性に気づいて欲しいと思います。
※近年の研究では、スマートフォンやPCに文字を打ち込むより、やはり手で『書く』事に優位性があるようです。(何もしないよりはだいぶマシですが…)