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2021/12/14
大人と子供・選手と一般の指導法の「脳科学」
今年の「日立スリーツアーズ」では、去年に続いてJLPGAが勝利しました。
それにしても最近の若手女子プレーヤーの活躍は素晴らしいですね。
やはりスポーツは、若くして頭角を表すのが王道なのでしょうか?
若くして活躍するのはスポーツでは珍しい事ではありません。
例えば、その前日行われた、日本スケートボード選手権の女子の部は、
東京オリンピックで金メダリストの西矢選手を抑えて優勝したのは、12歳の赤間選手。
上位選手は全員小中学生という驚きの若さでした。
高度な平衡性や巧緻性を必要とするスポーツは、神経系の発達時期とマッチしていないと結果が出ないということをまざまざと示しています。
年齢が若いという事のメリットはそれだけでありません。
神経科学分野では、“意識は「層」になっている”という有力な仮説があります。
若い時期は、脳における『意識の層』の数が少ない事がメリットになります。
ここで言う意識の『層』とは、スマホやPCで言う『タプ』のような物の数のことです。
この数は年齢を重ねるほど増えていきます。
競技力の向上と共に、怖さやリスクに対する安全装置的な役割のタブが出てくるという訳です。
厄介なのは、スマホやPCのように気軽にそのようなタブを削除できないことです。
些細なきっかけで、競技のプレーキになったり、ネガティブなメンタリティが含まれる『層』がいつの間にか出現します。
これは、無かった事にしたり、無視しようとすると逆効果で、うまくなだめすかすか、「置き場所」を工夫するかでしか克服する事はできません。
また、脳細胞の働きも、若い時と大人になった時はかなり違ってきます。
子供の頃に存在している脳細胞は大人になるにつれて数がだんだん減少していきます。
子供はまっさらの新しい脳細胞を使って、物事をゼロからありのままに捉えて学習します。
大人の脳細胞は、数が少なくなってきた代わりに、すでに使っている数の限られた脳細胞同士、過去に学習したものをつなげる事で学習していくというよう学習スタイルになっていきます。
ということは、
子供はありのもまを捉えて感じながら学習することで上達し、
大人はそれまでの経験を分析して、アナロジー(類似のものから推測すること)やメタファー(例え)を駆使して理解を深めて上達する、
ということを指導者が取り違わなければ、大人になってからでも充分活路はあるということになる。
子供の時は、ありのもまを捉え、成功体験を積み、
大人になった時のメタファーとアナロジーの材料を増やすためにあらゆ分野の知識、さまざまなスポーツの種目を経験することの大事さが解る。
このような、脳細胞の運用方法の違いを応用すれば、
「子供の時に優れた成績を残したのに、大人になってパッとしなくなった」 とか、
「子供の時に競技を始めていないから伸び悩んでいるのではないか」
というような悩みの解決のヒントになるのではないでしょうか。