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2023/04/20
夢や目標の実現は『決定した未来』
10年前から、大谷翔平選手の名前を聞くたび思い出すのはこのマンダラチャート。
今だに人々を驚かせている『決定した未来』
こういうのは、やったほうが良いよねというレベルではなくて、若いアスリートはマストにすべきだと思う。
潜在意識に『決定された未来』という目的地を与えないといずれ体は動かなくなる。(潜在意識という言葉がうさん臭ければ、システム1とでもXシステムでもファスト思考でも辺縁系とでも呼べばエビデンスっぽくなるかな)
そもそも『夢』とか『目標』って言葉が良くないのかも知れない。
顕在意識(カリキュレイトシステム)がリアルタイムで実現できる最大の役目は『非常停止装置』に過ぎず、現在進行形の動きを滑らかに引っ張る事は出来ない。
非常停止装置の準備段階となるのが『不安』である。
不安というのは、
未来の事が『未知』であるという強固な思い込みの前提によって起こる。
さらに、
過去のミスの記憶がまた未来にも起こるのではないかという恐怖に昇華した時、その思いが強固であるほど残念な結果が『成就』します。
トーナメントプロに必要なのはそれのリスクを避けるということではなく、
『決定した未来』もしくは『譲ることの出来ない未来』として思い込めること、
すなわち、決定された未来がこちらに向かってやって来るという、
一見一般とは真逆の時間感覚です。
これは単に一般感覚とはかけ離れていると片付けることなく、
トップアスリートは普通に持っているべき感覚です。
充分実現可能な現状分析と照らし合わせるストラテジーを組む事が出来れば、実は誰にでも可能です。
これを自分はむしろ心理学ではなく脳科学だと思っています。
以前、イップス の相談に来たある選手に、会ったその日に「優勝しましょう」と言ったら「何を言ってんのかな、このおじさんは』という目で見られたことを今でも思い出します。
次の年に五千万以上稼ぎ、その次の年に優勝した未来からタイムマシンに乗ってそっと自分に教えに来るように…
…これが決定した未来です。
トーナメントプロにとっては、やったもん勝ちだと思う。
(やらない理由として口コミ評価が多くないと信用できないという民間信仰的肌感覚も大脳皮質の産物か)
こんな時代になって来たからそろそろこの仕組みをシェアして行こうと思います。
2022/12/20
洗脳とイップスはアンインストールが難しい
脳の神経細胞の仕組みからして、インストールされたものを完全に削除する事は難しい事が分かっています。
これは、信教に対する介入の難しさであるところで、ある意味『洗脳』的にはたらいているプログラムを削除する難しさは、イップスの対処の難しさと共通しているように思えます。
それはどういうことなのかというと、
裏を返せば、ゴルフイップスの予防の為の項目と、洗脳を予防する為の項目はなんとなく似通っているように思えるからです。
試しにゴルフイップスにならないための自己防衛方法をいくつか挙げてみましょう。
・ミスを笑う人とプレーするな、
・細かすぎるクラブのうんちくを語る人と関わるな
・教祖的なコーチやスイング理論に洗脳されるな
・実感のない体の歪みを指摘する人と関わるな
・抽象的なプラス思考のメンタルを語る人の話を聞くな、
等々、、、
要するに、
・マウントを取る傾向のある人と関わるな、
・占い師のようなコールドリーディング的な話を投げてくる人と関わるな(これはイップスになってからも言える)
このような、
極めてまともな処世術に行き着くわけです。
(※これ以上の表現については詳しい説明を控えます。質問がある場合は個別でお願いします)
2022/09/01
原英莉花選手のショートパットを見て考える
先日のニトリレディスで、初日から3日目まで単独で首位をキープしていた原英莉花選手は最終日に7位に終わりました。
原英莉花選手本人もおそらく2番の4パットは悔やまれたことでしょう。
客観的には、理由はどうあれ最終日序盤に4パットしてしまうと優勝するのは中々難しいと言えます。
このようにゴルファーにとってはショートパットのミスは残酷で致命的になります。
しかしもし、このへんが克服できればメンタルも強く身体的ポテンシャルも高い原英莉花選手は歴史に残るスター選手になるかもしれませんね。
では、大事な場面でショートパットを決めるには、どうすれば良いのでしょうか?
イップス の研究から逆算して導かれた、ショートパットのクオリティを高めるキーポイントは主に3つあります。
ここにショートパットが完璧主義的に練習量を追いかけても逆効果になる理由が隠されています。
原英莉花選手はとくにイップス ではありませんが、もしパッティングの練習量が相当多いとしたらここに注意が必要です。
①理論にこだわらない自分に向いたストロークの存在に気づき、有効に利用する
②ショートパットとロングパットの『ギヤ比』を使い分ける
③『意識』にパッティングをさせない
それぞれを少しだけ解説しますと…
①
ゴルフの練習を積んでいく最中で「何かわからないけどこうすると上手くいくんだよなぁ」という自分なりの気づきが必ず出てきます。
例えば、
少しインサイドアウトが心地よい場合があったり、アウトサイドインがフィーリングがしっくりきたりすることなどです。
これは決して偶然ではなくて、自分の身体の生まれながらにして持っている『左右差』のかたよりみたいなものにマッチしていることが良くあって、細かく分析すれば理由が必ずあります。
ちょっとした不調時にコーチングされた時にこの『かたより』のせいにしてしまってそこを修正した感覚を作り込んでしまうと、
その感覚が消えてしまう事があります。
②
ゴルフでは飛距離を出す事に注目が集まりがちですが『飛ばさない』技術もかなり重要です。
飛距離を出すコツの一つは、アクセルの踏み込み量は小さくてもスピードが出せる仕組みを持つ事です。
クルマで言えば、1速よりも5速の方がアクセルの踏み込みが少なくてもスピードが何倍も出せる状態になります。
このようなスピードを増幅するためだけにテコを使っている感覚があるほど、動きの量が少ない細かく繊細な動きが難しくなっていってしまいます。
逆に、パターやアプローチはヘッドスピードや動きの量が少ないので、
アクセルの踏み込み量が多くしても動きの量が小さくトルクの太く密度の濃い動きにしていく事がカギになります。
③
イップス 対策ではここが最重要になります。
ショートパットのような、ことさら雑念がはさまりやすい時ほど、意識的な動きではなく、
オートパイロットされた自動化された動きに粛々とプレーさせることが理想的です。
その邪魔をするのが『意識』です。
脳の仕組みを分析すると、
「意識」によって自分をコントロールしようとすることは、(緊急事態を除き)ほぼ無意味である事がわかっています。
『意識は行動の後を追っているにすぎない』からです。
とは言え、この事実をいきなりスンナリと受け入れる事は我々にとって最初は難しい事だと思います。
時間の流れが日常感覚と逆だからです。
まずは、時間の流れの概念をアップデートするところからやってみると良いかと思います。
【過去】→【現在】→【未来】
『時間は過去から未来へ一方向に流れる』
というのが一般的な我々の日常感覚ですが、
それを、
【未来】→【現在】→【過去】
という概念にアップデートします。
既に存在する未来のその時が今の自分を作っていると考えられるかどうかで全てが変わります。
わかりにくかったら、
『針が止まっていて文字盤が動く時計』
をイメージしてみて下さい。
『自分の最善のストロークシステムによって転がる軌道上にカップを設置する』
というカップインを確信しやすい概念です。
====
もっとわかりやすい表現が思いついたらコレもアップデートいていきますね(^^;;
2022/08/01
生理学とゴルフとイップスと
「いろんな学問をかじったから何がわかるんだよ」
っていうところで、
今回は特に『運動生理学』分野との関連を少しだけ。
当たり前ですが、筋肉自体が自分の意志で筋肉を自由に収縮できるわけではなくて、
脳からの電気信号によって収縮の命令を伝えます。
これはリモート的な無線ではなく、脊髄と神経によって『有線』で伝えられます。
この神経のはたらきは、トレーニング(訓練)によって質を向上させる事が出来ます。
具体的には神経を刺激する頻度やタイミングの質の向上は訓練によって見込めるということです。
例えば、
脳は慣れない強い動きをさせる時に関節などを守るために、命令された動きの筋肉の反対側の筋肉を大きく刺激してカウンターを当てる事で関節を保護しようとする防衛本能が作動させます。
しかしこれでは、スポーツの動きとして都合が悪いので、動きの訓練をする中で脳はこのブレーキ作用を緩めることを覚えていきます。
訓練が進んでいくと、結果的にブレーキ作用のマイナス分が減った事で出力が増す事になります。
これが筋肥大によるものではない筋出力の向上という訓練の成果になります。
ゴルフのレッスンではこのような仕組みを応用して『飛距離アップ』を筋トレなしで達成することが出来ます。
脳はこのような自己防衛システムを無数に装備していて、それぞれの分野でその解除の仕方が異なります、
イップス も、
『その動きをやめさせれば最悪の事態をとりあえず回避する事ができる』
という自己防衛本能システムがあらわれたものが含まれています。
2022/07/29
これを機会に遡って確認してみる
「意識は脳が選択したものを後追いして認めているにすぎない」
という事実を元に、先日の週刊ゴルフダイジェストでもこれを前提に考えることが「イップス」をはじめとした、「なんだか思うように動けない」というレベルを含めた運動の障害にまつわる解決のカギになると考えていることにふれました。
なんか、突拍子もない論理の飛躍と思われる方もおられるかもですが、、、
これは決して思いつきではなく、
スポーツのからみで従来からある、
運動生理学・バイオメカニクス・スポーツ心理学 等々
のすり合わせからも確認することができます。
これを機会にかなり昔に通り過ぎてしまったところから掘り起こして確認して見ようと思います。
これから、現在まで他分野の専門家の過去の知見等のロジックにも触れながら、
なるべく客観的にわかるように説明を試みたいと思います。
(冗長になるのは私の能力不足です すみません、、)
まずは、「運動学習」について少し。
そもそも、
人はどういうプロセスで運動を学習するのでしょうか?
運動を学習する第一歩としては、ある一定の動きを身につけるということになるでしょうか。
ゴルフで言えば、
『スイングしてボールを打つことができる』
というイメージです。
しかし実は、ここからの方が重要になっていきます。
「それが再現性の高いものになっているかどうか」
「それが場所・環境・シチュエーションの変化に耐えられるものか」
ここまでをクリアして「運動学習」の本質に近づいていきます。
一回一回のパフォーマンスの波を少なくして再現性を高めていくこと、
というところが「運動学習維持能力」ということになりますし、
練習していた場所と違う環境でもできるのか、
「試合」などの心理面の変化があっても使えるのか、
というところが「運動学習移行能力」ということになります。
ここで示した、
学習・維持・移行
は独立して考える必要がありそうです。