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2018/10/31

森田理香子さん来季ツアー活動を休養

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森田理香子さん来季ツアー活動を休養するということが報道されました。

ここ数年は、イップスに悩まされている様子でしたので、再起がなかなか難しかったのか、むしろ悪化してしまったのかもしれません。

実績もあり、海外でも活躍できる資質を持つ選手だけに周囲の期待も大きく、苦境に手を差し伸べる人も多かったであろう中でのツアー活動休止の決断は、相当深刻な状況だったのではないかと想像されます。「事実上の引退」と報道するところもありますが事実だとしたら非常に残念なことです。

もし、今後、復活を目指し再起を期すことがあるとするならば、最初の取り組みを慎重にしてほしいと思います。

プロスポーツ競技者は、絶えず過酷な相対的評価のストレスの渦に巻き込まれます。そのような中、スランプに「向き合う」と、結果を焦って様々な対策練習にやみくもに手を出してしまいます。そういう状況では、「いったい何に向き合っているのかがわからない」ということが起きます。

ここまで来てしまった段階では、技術練習や理学療法よりも先に取り組まなければならないのが、「エクスプレッシブ・ライティング」という作業です。

「エクスプレッシブ・ライティング」とは、ストレスを感じたことや、ネガティブな感情、思い出したくない出来事などを紙に書く作業です。

トラウマのような出来事が、ふとした瞬間に思いもよらず「自動思考」の中でグルグル駆け巡ることを「マインドワンダリング」と言いますが、エクスプレッシブ・ライティングは、自分の意志でマインドワンダリングの内容と細かく向き合う作業になります。

一見、「忌まわしい記憶の上塗り」になりそうに思えますが、実はマインドワンダリングのように無意識で自動思考がグルグル回っていくのと、自らの意志で反芻した事柄を紙に書くという作業とでは雲泥の差があります。

脳内における記憶システムは、自らの意志で問題を総括するたびに違ったタグ付けがなされ、ニュアンスが少しづつ変化した形で記憶が上書きされることがわかっています。

これを地道に取り組むことで、今まで感じていた「得体のしれない不安感」の正体が次第に暴かれていきます。

正体不明のものによってもたらされていた「不安感」から、「対峙すべき相手」が見えてきたときにはじめて問題解決の歯車が回り始めます。