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2019/04/17
暗示的学習 と 外的集中
『蝶のように舞い、蜂のように刺す 』
(Float like a butterfly, sting like a bee)
ボクシングの伝説的世界チャンピオン、モハメド・アリの、軽やかなフットワーク、鋭く的確なジャブを繰り出すボクシングスタイルとして世界中に知られているフレーズです。
試合前にトレーナーと一緒にこのフレーズを実際に叫んでいたと言われています。
アウトボクシングの指示確認でもあり、ヒットアンドアウェイ戦法のメタファーになっています。
これは、演出的なパフォーマンスであるとともに自己暗示でもあるとも考えられています。
このような優れたメタファーを使った指示は『暗示的学習』をうながすもので、その世界観の情景が客観的にイメージされやすいものほどメタ認知的になり『外的集中』に作用します。
メタファーを使わずにふつう通りの指示として明示的に表現をすると、
『近距離での打ち合いを避け、フットワークを駆使して、接近して打ってすぐ離れろ。そしてそれを繰り返せ』
というありふれた指示内容になり、これは文字通り『明示的学習』に当たるものとなります。
明示的学習による自分の身体がすべき事に対する細かい内向きの指示は、『内的集中』に作用します。
この、『外的集中』と『内的集中』の違いは近年のメタ分析によって、『外的集中』の方が圧倒的にパフォーマンスアップに効果的である事が証明されてしまいました。
(※この『外的集中』と『内的集中』の脳の情報処理のされ方の違いを利用して俯瞰投射法を行います)
一般的に『集中』といえば『内的集中』に該当するイメージがほとんどで、それがそれほどパフォーマンスアップに貢献していないという事実はわりとショッキングな事実だと思います。
一般的に、指導者がうながす集中とはほとんどのケースでこのような「内的集中」を指すものなので、指導者側に難しい課題を突きつけていると言えます。
このような課題は日本人のスキルラーニングにおける課題と同じ文脈で語れるといえます。
例えば、オープンスキルとクローズドスキルの習得のアプローチ方法の違いにもつながるものです。
オープンスキルとクローズドスキルについてはまた次回。