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2019/11/26
天才的感覚が蒸発する理由(仮説)
トーナメントで活躍するレベルの最近の若いツアープロのほとんどは、小さな頃からゴルフを始めています。
高校を卒業する頃にはゴルフ歴10年前後のある意味『ベテランゴルファー』になっています。このくらいの時期からより高いステージに行くために精度を上げていく取り組みを開始します。
ところが、感覚が鋭敏な即座習得期に編み出した自分なりの「golf my way」によって小中学生の頃から自由自在にできていた『魔法の感覚』が、20歳を過ぎたあたりから、だんだん薄れてきて自信が失われていくというような話はこれまで山ほど聞いてきました。
これは、気のせいなのか、感覚の劣化なのか。
どういうことなのだろうということは常々考えていましたが、イップス の研究をするうちに、ある1つの因果関係を確認しています。(もちろんこれが全てではなくいくつか考えられる要素の1つにすぎませんが)
※
《子供の頃から乗り慣れて自在に操ることのできる自転車をある日、友達に貸した時友達にこう言われた。
「この自転車ハンドル曲がってない?ハンドルまっすぐにするとどんどん左へ行くんだけど…」
なるほど、言われてみれば車輪に対してハンドルが曲がっているような気がする。考えたこともなかったけど。
自転車屋さんに行ってすぐにハンドルと車輪のズレを修正して乗ってみたら、今度はハンドルをまっすぐにしているはずなのにだんだん右へ右へ行くようになってしまった。
しかも乗っていてかなり違和感がある。
再度自転車屋さんに持ち込み事情を話したところ、
「フレームが歪んでいるのかもしれませんねぇ。何か強い衝撃を与えたりしませんでしたか?」
こんなこともあるのかなという事で、フレームの歪みをできる限り直してもらった。
これで、自転車のアライメントは概ね改善されたはずなのに、なんとなく違和感の残る乗り味になった、、、、、、》
※
このような感じで、以前は完全に身体の一部のように乗りこなしていたしっくりくる感覚が失われることがあります。
この場合、因果関係で考えられることは2つあります。
1つは、アライメントの歪んだ自転車に知らずに長年乗ってきてそれに完全に乗り慣れていて、身体の一部のように自然に乗りこなせるようになっていた。そのため自転車のアライメントをニュートラルにすると違和感を感じるようになる。
2つ目は、
この自転車のアライメントの歪みは
持ち主の身体的なアライメントの歪みと偶然にも噛み合って、本人にとって最高にコントローラブルな自転車となっていた。
(※道具が手に馴染むように一緒に変化することも考えられますね)
これは、
本人のまっすぐと、
友達のまっすぐと、
自転車屋さんのまっすぐと、
客観的な精密の数値のまっすぐ、
という色々な基準が存在することで良く起こる事です、
自転車はある意味、工業公差の範囲内で制作される機械なので客観的数値的な基準によせていくという事になります。
しかし、身体(肉体)の場合は感覚(身体感覚)を含めてその偏差を即座に揃えようとするとなると容易ではありません。
実はゴルフにもこういうことが起こっていたりすることがあります。
例えばこういったものを使うとはっきりしたりします。