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2020/08/16
成田美寿々選手に何が起こったのか
大たたき20オーバー92に成田美寿々が涙「ちょっと…おかしくなって…」左手親指痛で棄権(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e5f290c521606a722bd4b9bde71c4256d82fe01
【ツアー13勝を誇る実力者・成田美寿々(27)=オンワードHD=がノーバーディー、8ボギー、4ダブルボギーにパー5での9で20オーバー92という、信じがたい大たたきを演じた。スコアカード提出後、気丈に報道陣の前に立ったが「アース・モンダミン杯の前から…ちょっと…おかしくなって…」と涙。第2ラウンドを前に左手親指痛のため棄権を申し出た。 特にドライバーショットに変調を来しており、「ティーショットをコース内に置くことができないので…」。今大会は選手、キャディー、マーカー以外は観戦できないためプレー状況の詳細は不明だが、「練習場では調子がいい時ぐらいのショットができていた。まあ、心の問題かなと…。あまり思いつめないほうがいいよと言われてます…」と苦しい胸の内を吐露した。】(中日スポーツ)
成田美寿々選手は今回フィーリングを失った状態で18ホールをプレーしたようですね。
棄権したとはいえ、屈辱的なスコアであるにもかかわらず、スコア提出したということからみても非常に誠実で責任感の強い、尊敬すべき選手であることがよくわかります。
「まさか一流選手が20オーバーするとは」と驚く人も多いかと思いますが、ゴルフは一度歯車が狂ってしまうとこのようになってしまう事は珍しくありません。
早めに対策して何事もなかったかのようにまた活躍して欲しいですね。
「ドライバーイップス になってしまったんじゃないだろうか?」と思った事がある人は身に覚えがある状況かもしれません。
アマチュアゴルファーのイップス 対策に取り組んできてから、この『ドライバーイップス なのでは?』という相談がアプローチやパターに負けず劣らずかなり多いという事はこれまでも述べてきました。
今回は、このような時に、一般的にどのようなことが起こっているのか、ひとつのケースを示して説明してみようと思います。
ドライバーイップス は気持ちの面から来る不安や緊張による失敗から起こる、マイナスのスパイラルと言われています。
意外とほかのスポーツでは、不安や緊張感を力に変えて、ベストパフォーマンスにつなげることが実は可能です。
ではなぜゴルフでは不安と緊張が負の相関になりやすいのでしょうか。
それは、ゴルフスイングが再現性の高いメカニカルな仕組みを常に求められているところにあります。
プロゴルファーは、この再現性のあるメカニカルな動きを獲得するためにかなりの時間を使って反復練習の数を積み重ねていくわけですが、そのような練習プロセスは基本的には平常心のもとで行われるものです。
これが平常心を失った時に状況が変わってしまいます。
これも進化医学の視点から考えると原因が見えてきます。
不安要素を抱えた状況や、緊張を強いられる状況になった時に、いわゆる交感神経優位にバランスに強く傾いた状況になり、闘争逃走反応などによるストレスホルモンが分泌されやすくなります。
そのため、呼吸が浅くなり、横隔膜がせり上がり、肩甲骨の位置が上ずる事があります。
そうなった時に、いつもの平常心で積み上げた練習とは違う動きのメカニズムに微妙にズレが生じます。
ここからが、解説がが難しいところになりますが、出来るだけ簡単にドライバーイップス に至るひとつのモデルケースとして示してみたいと思います。
不安要素を抱えてネガティブな気持ちの中、緊張で気持ちが上ずる
→ 横隔膜が上がり呼吸が浅くなる
→ 胸郭の形が変わり肩甲骨の位置が微妙にずれる
→ スキャプラプレーン(肩甲骨面)から上腕骨がいつもの角度から外れやすくなる
→ いつもの肩外旋のテンションがかからず脱線フィーリングに違和感が出る。
→ 切り返しのクラブのモーメントコントロールが効かなくなる
→ 結果を取り繕い、補うような代償動作をやり始める
→ ますます以前のフィーリングを見失う
→ 以前どういう風にしていたか考えても分からなくなる
→ 平常心でもそのようなイレギュラーな動きのクセが出てしまうようになる
→ イレギュラーなスイングが慢性化してしまう
→ ドライバーイップス の状態になる
この肩甲骨(scapular)の面(plane)、スキャプラプレーンに対して上腕骨がイレギュラーな動きをするの部分については、実績のあるプロ選手の場合、外れ値(許容範囲から外れた度合い)に対するイレギュラーの起こる確率は極めて小さく、治しやすい部分です。
何が言いたいかと言うと、肩外旋を含む肩甲骨の動きに関しては、普段のコンスタントなスイングの場合、肩甲骨の位置が安定し、肩の外旋をした時にある一定の『行き止まり感』のテンションが作れる場所的なものが存在します。
これは、肩のゼロポジションにおける肩甲棘が上腕骨を受け止める「受け皿の大きさ」みたいな役割のものです。
この位置関係から、骨の位置がズレるといつもの動きができなくなり、フィーリングを見失うのです。
この場合の肩甲棘の部分を、自分の中では『許容範囲の棚』と呼んでいます。
コンスタントな結果を出している選手はこの『棚』が広く、棚に乗せやすいイメージがあります。
結果が不安定な人はそもそも『棚』が狭くそこにハマらずに滑ってしまうというイメージです。
(要するにハマる位置が広いか狭いかということになりますかね)
一流選手はそもそも素質的にその『棚』が広く、そこにハマりやすい状況になっています。
(ここで、緊張・不安対策か、技術的修正かの二択になりますが、ここでは技術的修正からのケースを取り上げてみます)
ですので、その位置関係を早めに見極めて戻すべき場所を確認する事が先決です。
それには客観的な『目』が必要になるでしょう。数値に加えて、ハマっているのか外れているのかのニュアンスをその都度ヒアリングしながら確認していきます。
位置関係が安定すれば再現性の高い動きに導けることを確認すると、気持ちに安心感が生まれます。
たとえ不安に感じたり緊張したとしても、いつもの関節の位置関係を戻すきっかけや手応えがあればメンタルは後からついてきます。
そのあとでメンタルに取り組めば、メンタルと関節の位置関係の相関の本質が実感できてさらに安定度が増すという事になるでしょう。