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2019/11/12
イップス かなと思ったら、
取扱説明書に『故障かなと思ったら』なんて項目がありますが…
「故障ではない可能性がありますよ」ということですよね。
イップスでは、どこからがイップス なのかというのは非常に微妙なところではあるのですが、以前は軽いものはイップス というほどのものではないのではと思っていたのですが、よくよく考えてみると、もしジストニアがイップス ではない(医療行為が必要という意味で)としたら、比較的軽いものもイップス に当てはまるのかなと思うようになりました。
軽いものでもイップス に至る一例としては、
例えば、パッティングストロークにおいて、プレーヤー自身としては慎重な手順を踏んで確実に実行しているはずのストロークが、ことごとくカップを外れることを繰り返すことがあるとします。
その結果、やがて予期不安が起きて徐々に始動がうまくいかなくなったり、動きにくくなったり、無理に動かそうとして動きにノイズが入ったりしているうちに違和感を感じるようになっていきます。
不安や恐怖を感じることが多くなると、そもそもその行動を制止するようなはたらきの生体反応があらわれることがあります。
その反応が「手が動かない」とか「うまく動かせない」というプレーヤーの感じ方になります。
脳(感じ方としては身体)が、失敗するくらいならばその行為自体をやめさせようとするわけです。
これは生理的にはごく自然な反応で、こうやって人類は危機回避をして生き残ってきたという名残りですが、現代社会のシチュエーションではどうも適合しないことが多くなってきて不都合にはたらくくことが多くなってきてしまいました。
解決するには、問題の『導火線』がどこにあったのかを紐解いていく必要があります。
〇技術的な問題であったのか
〇心理的な問題であったのか
〇生理的な問題であったのか
〇医学的な問題であったのか
はじめは技術的な問題なのかもしれません。
やがて身体の反応となってそれによって徐々に身体の動きがずれてくるという場合もあります。
順番に深めていこうと思います。
2019/10/10
遺伝子と習性に惑わされないために「遺伝子と習性を知る」
基本的には勇敢な遺伝子よりも臆病な遺伝子が生き残っていると言われています。
またそれは、気持ちの問題だけではなくて、ストレス反射の方向性にも関連がありそうです。
その昔、魚類の祖先の中で、天敵に遭遇した時の筋肉の拘縮反応起こし方の違いで神経がクロスした種が生き残ったという説があります。
(『右側から来た敵に対して右を向く反応をしてしまう』などの要因によって)
魚類の完全視交叉などの根拠とする考え方や右脳と左脳からの神経がクロスしている種が生き残っている要因とも考えられるという仮説になっています。
意思に関わらず、合理的な判断や行動は中々出来ない事は現代の人類でも同様です。
(ビジネスはその「習性」を逆手にとって利益を得ようとするわけですが)
このように「わかっていてもやってしまう」ことがありますが、「わかっていても動けない」ということも起きます。
行動経済学では「現状維持バイアス」が、合理的な行動よりも、変化を嫌い、行動をしない事で現状維持を優先するとしています。
潜在意識が予測不能な事柄に対して「動かない」(行動を変えない)という判断が生存戦略として優先されているということでしょうか。
進化医学、進化心理学においても、行動による状況の変化が生存戦略においてリスクになるという判断になることが多いようです。
予測不能な事柄に対して潜在意識の「動かない」(行動を変えない)という判断が、行動を起こしたい顕在意識にとってはやりたくても身体が動かない、拒否反応的に『意思に反する反応』として捉えられるのかも知れません。
イップスにおいても、
「手が動かない」
という言葉の表現がよく使われますが、
『動かせない」「動かしたくない」潜在意識のはたらきがあるとも考えられます。
ではなぜ、潜在意識は動かす事を拒むのでしょうか、
動かない事にはどのような理由があるのか。
意思としては動かそうとしているのに、
身体は動く事を許可したくない何かがあるということでしようか。
結論的には理由がわからないまま、無理に意思でコントロールしようとすると逆効果です。
ぎこちない動きになったり、まったくタイミングが合わない動きになったりします。
やがてそれは危機管理の対象となってイップスを定着させることになりかねません、
次回あたりに実例をひとつ挙げてみたいと思います。。
2019/10/08
遺伝子から『意伝子』へ
シマリスは、冬の冬眠に備え、頬袋に貯えた食料を縄張りのあちこちに埋めて隠すという習性があります。🐿
これは親から教わったわけではなく(習性ですから当たり前ですが)遺伝子に刻まれたものです。
こうして冬に備える生存戦略を持った者だけが生き残ってきたという事でしょうか。
しかし困ったことに、シマリスは埋めて隠した場所をいちいち全て覚えていません。
あちこちに無数に隠しまくって忘れてしまいます。結果、かなりの場所がほったらかしにします。「そこから芽が出て生態系が…」なんて『牛のゲップ』の話のような地球規模のスケールの話もありますが…
このような大量のストックをしないと安心できない習性は人間にも通じるものかもしれませんね。
消費税が上がる前に生活用品を買い溜めした人も多いのではないでしょうか。
片付けたいのはやまやまですが「言うは易し行うは難し」ですよね。
そうなると「ストックがないと安心できない」「片付けられない」「モノが捨てられない」というのは遺伝子に生存戦略として刻まれたものでいかんともしがたいということなのでしょうか。
遺伝子のはたらきにのみに惑わされずに進化する事を総じて『文化』という解釈もあります。
このような文化を伝承(現代風に言えばコピペ)して進化する状態を『意伝子』、すなわちミームと呼ばれたりします。
(ミームという言葉は、動物行動学者、進化生物学者であるリチャード・ドーキンス博士が、1976年にThe Selfish Gene(邦題『利己的な遺伝子』)という本の中で述べたものです)
人間だけが、遺伝子のような行動原理のみに反映されなくでも、ミームとして行動に反映されるようになればやがて遺伝子による行動原理から解放されるようになるのではと思います。
人間はいくつかの「習性」の修正に成功しています。
コレをミームと言っていいのかわかりませんが…
さて最近アメリカでは、「断捨離する」ことを「こんまりする」というらしいです。
遺伝子に刻まれたプログラムを凌駕して、論理的な思考によって情緒をコントロールし、行動を変えることができるとすればこんまりさんはアップデートされた脳を持つ進化系の人類と言えるかも知れませんね。
もし、こんまりさんのメソッドを受け継ぐ人が多数派になれば、人類の行動はアップデートされた事になるのでしょうか(笑)
2019/10/01
「Dバランスがベストの大誤解」
チョイスの企画
『「Dバランスがベスト」の大誤解』
でも触れたとおり、軽いヘッドの可能性について研究を進めています。
(とはいえ、軽ければ良いと言うわけではなく、「変態」クラフトマン鈴木伸也さんの削りの精度がありきなのですがね…)
まずは、プロトタイプのウエッジをアプローチイップスの人に試してもらっています。
今はまだ、モニターに対して実験中といいますか、効果のモニタリングのサンプルを集めていきたい段階なのですが(といってもイップスにおいて学術的に認められる程のサンプル数を集めるのは極めて困難なのですが)、
効果は真っ二つです。
即効性があり劇的に変化があるか、
全く効果の実感を感じられないか。
どちらにせよ、道具の精度と機能面の使い方の説明は必須である事はわかりました。
効果アリの側も、根本的に治ったわけではなく、
「15本目の新しい道具として認識する」
と言うプロセスが必要となります。
(確実に言えるのは、これからはどちらにせよ全てのクラブがエクストラクラブ的になるという事です。中でも現状エクストラ的にとらえやすいのは、ドライバー、パター、ウエッジです。なので手始めにウエッジからですかね)
もしがっつりと噛み合った場合はかなり世界が変わります。
従来のような、感覚を鈍くする手法ではなく、自分の思ったような動きに道具がついてくる感じです。
見た目は普通のウエッジとほぼ変わらないので、チッパーを使っているという後ろめたさや情けなさはありません。むしろシードプロが使えるレベルです。
これと同じように(軽くするというわけではありませんが)、感覚を新たに出来るようなパターも構想中です。
その時はまた鈴木伸也さんの腕を頼る事になりそうです。
その時はよろしくお願いします。
詳しくはまた進捗をお伝えしますね。
2019/09/28
「理想と現実」を「長期目標と短期目標」に書き換えよう
グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんの「よくもそんなことを、」という強い口調のスピーチが話題になっています。
ノーベル平和賞のマララさんなどをはじめ、若き活動家の国連でのスピーチは、とてもインパクトがありますね。が、ここへきて今回はヒステリックであるとか、大人に利用されているなどの批判も出てきたりしているようです。
より良い世界にしたいという、地球環境問題、地球温暖化対策などのビッグイシューを改善したいという思いは総論としては多くの人が賛同するところではないかと思います。
しかし、各論では意見をまとめる事は容易ではありません。
イップスの改善などもそうなのですが(急に問題のスケールがちっちゃくなっちゃいますが)、全ての問題解決には、少なくとも2つの目標が必要です。
それは「長期目標」と「短期目標」です。
当たり前の事ですが、そもそもその2つの目標は「対立」するものではありません。
ところが、ビッグイシューになると、その長期目標は「理想」、短期目標は「現実」のニュアンスに書き換えられてしまいます。
どういうわけかそうなると、相容れない『2つの理念』となり、対立する構図が生まれてしまうのです。
問題解決は、右か左か、白か黒か、ゼロか100かという対立構造にすべきではなく、(対立構造は一時的に人々の興味を引くための心理テクニックとしては有効で政治利用されがちですが)本当の問題解決は対立ではなく、同じ方向を向く事を思い出すことがとても大事なのではないでしょうか。
「理想と現実」を「長期目標と短期目標」に戻してあげることになるでしょうか。