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2020/07/21

イップス における「脳の対立」構造とは

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イップス の研究をして以来、とにかく解明する糸口として関係しそうな科学的裏付けが取れた文書を片っ端から読んできました。(今もそれは変わりませんが)

 

『ゴルフはメンタル』ということは昔からよく言われていますが、そもそもその『メンタル』は何処からきているのか、その心理作用は何が原因なのかを探っていくと、どうしても心理学というよりも医学生理学に多めに偏っていきました。

 

三年ほど前に、総務省が主催する『異能vationアワード」の医療部門賞をいただいてから、医師の方がレッスンにお越しになることがが増えましたおりに、

レッスンを受けてくださる医師の中の一人に、

「この角度からの分析は一般の方々に中々理解してもらうのは難しいと思うよ。」というアドバイスをいただきました。

 

内容が難解であるというご指摘はそれからも多方面から度々いただきながら、それ以来常々考えているのは、どうしたら仕組みわわかりやすく例を示して解説説明出来るかと言うことです。

 

今のところ、こんなふうに思っています。

(異論、反論、賛同、感想ありましたら、お手数ですが、お問い合わせからコメント下さいませ)



【馬にヒトが乗った状態に似ているということ】

 

脳味噌の仕組みは、進化による『建て増し』構造です。

古い脳の上に、新しい脳があとづけ増設された構造。

 

コレを、進化医学を基に例えると、『馬にヒトが乗った』という感じに似ていると思っています。

 

新しい脳が、ヒトで、

古い脳が馬です。

ヒトが乗馬しているような。

 

ヒトは馬に「させたいこと、意志」があって、馬はそれに同期して呼応すればそのとおりする。

しかし時には、同期して呼応していない時に馬がやりたくない事を無理矢理やらせようとすると、嫌がり、動きを止めたり、様子がおかしくなったり、振り落として蹴り殺すこともある、みたいな。

 

そこで、古い脳と、新しい脳が、人馬のどこまでの働きを司っているかを調べるということが因果関係を探る手がかりであると考えています。

 

イップス は、ヒトがやらせようとしている事をなんらかの理由で馬が強烈に嫌がっているという解釈です。

 

ゾーンは『ケンタウロス』のようにになったという事になりますかね、、、

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もっと良い例えが考えついたら、その都度アップデートしようと思います。



 

 

2020/06/27

クラブの進化とスイングの関係性

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前回触れましたジャック・ニクラウスのgolf my wayには、先進的なティーチングプロに取り入れられている「スイングカタリスト」の分析に通じる足底圧力の分布と移動のニュアンスが自身の内的イメージとしての図として描かれています。

そこからはテイクバックで踏み込まれる右かかとにかかる圧力の反作用を利用して高いトップが作られていたのではないかと推測されます、

 

ニクラウスのようなレジェンドプレーヤーに採用された、アップライトなプレーンからのスティープなダウンブロースイングは、やがてその後のクラブの進化によってまた少しづつ変容していったように思います。

 

アイアンネックの金属強度、接着強度はそれから年々進化していく中で、低い重心の易しいクラブを作る事を目指す段階に入っていきました。

そのようなクラブが実現すれば必ずしもダウンブローで打つ必要はなく、易しく球の高さを実現できると予想されたからです。

(「低重心」が革新的クラブのキャッチコピーだった時代を知る人は少なくなって来ました。もはや死語ですね。)

 

そのクラブの低重心化(正確に言えばクラブヘッド重量の再配分化)とヘッドの大型化を一気に加速したメーカーが誕生しました。

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1982年にキャロウェイゴルフというメーカーが誕生します。

キャロウェイ初代クラブデザイナーのリチャードヘルムステッターは、

ゴルフが難しすぎてやめてしまった弟でも使えるようなクラブを設計しようと考えていました。

(偶然の産物もあったという)経緯は有名なので端折りますが、アイアンクラブのホーゼルの伝統的形状を、「短く」かつ「貫通」させることにより、大幅な重量の再配分に成功し、S2H2と名づけられたその技術は、ボーゼルの接着強度をクサビを打つ形で補完した「スルーボア」も大きな特徴でした。

 

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これを皮切りにヘッドの「大型化」「低重心化」、アイアンの「キャビティ化」が進み、重心距離も長めのクラブ進化の方向性が加速しました。

 

使い手のスイングにも次第に変化を及ぼしていったように思います。





2020/06/17

シャローイングは流行なのか、進化なのか?

シャローイングは流行なのか、進化なのか?

シャローイングは流行なのか?

はたまた 進化なのか?

 

ゴルフスイングのトレンドは、その時代の『覇者』がつくって来たと言っても今のところは差し支え無いでしょう。

 

今話題の『シャロー』とか『スティーブ』も大きな括りとしては流行を繰り返しているように感じます。

 

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メジャー獲得数ではタイガーウッズを上回る、(18勝を誇る)全盛期のジャック・ニクラウスは、

『アップライトなスイング軌道は、フラットな軌道よりもインパクトゾーンでストレート軌道に近いという優位性を持つ』

という確固たる持論を持っていました。

 

自身の著書『golf myway』では、スイングを主に2タイプに分け、

オープン ツー クーズド

(フェイスを開きながら上げ、閉じながら打つ)

クローズ ツー オープン

(フェイスを閉じながら上げ、開きながら打つ)

とし、自身は前者を採用していると述べています。

また、

「アイアンのフェイスはボールの幅さえあれば十分だ」

という意味の事を言ったとか。

それが具現化したクラブは、

その名も『VIP 

フェイスの幅を短くというのは、重量をボーゼルの強度に配分する必要性などのクラブ製造技術にも原因の一端があるとみられます。

現在の製造技術に比べて考慮しなければならない条件としては、強烈なパワースイングに耐えうるネックそのものの金属強度、接着強度、

とクラブ総重量との兼ね合いの範囲内での実現など、難しい設計上の制限の課題がありました。

 

つまり、当時の金属強度に照らし合わせて強いスイングに耐えうる強度を確保する為、ホーゼルをある程度太く、長くする必要性があり、重心はどうしても高めになりました。

ボーゼルが長い(しかも太い)ことは、クラブヘッドの重心距離が短く、かつ高めになることは避けられません。

 

 

重心が高いということは、強い球を打つためには、ダウンブローにコンタクトして重心の近くで球を打つ技術が最適解となる、当然の成り行きと言えます。

 

これがジャック・ニクラウスに採用された、アップライトスイング、オープンツークローズドスイングによるダウンブローというスイングとマグレガーVIPとのマッチングです。

 

これがドライビングアイアン(1番アイアン)でハイボールを打つという離れ技を可能にしていました。

 

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当時は重心という概念があったわけではないと思いますが、今よりもクラブ素材比重が単一で、ヘッドを『見た目』で重心の位置をなんとなく判断できたのだろうと推測します。

(実はこれは、プレイヤー目線からも言えるのですが、意外と使い手は道具の形状からいろいろな情報を自動的に判断しています。(これについてはまた後に詳しく))

 

 

打球に熟練して行く過程で、重心に近いところでソリッドにコンタクトできる感覚を研ぎ澄ませて行くうちにダウンブローという技術が自然と醸成されていったと思われます。

 

そのような職人的技術が長年必要だったゴルフは、アマチュアゴルファーとしてはかなりの技術的に難しい競技であったことでしょう。

 

 

 

2020/06/14

シャローイングってナンダ⁇

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多くのプロが取り入れている『シャローイング』とは、アタックアングルを低くするメリットがあります。

 

MLBなどでも話題になった『フライボール革命』と同じように、ゴルフでもトラックマンなどの機器を使って、理想の距離や球筋のための数値の目安がわかってきました。

 

適正なスピン量を得られるためにどのような軌道が良いのか、その軌道をつくるためにはどのように身体を動かせば良いのかを逆算した結果、効率の良いスイングを模索したアイディアのひとつであると言えます。

 

物理的には、ボールに与える直接的な動きはダウンスイングでシャローな角度でボールにコンタクトする事が出来ていれば良いことになります。

なので、テイクバック自体がシャロー(俗に言うフラット軌道)であれば、シャフトを寝かせる必要はないのですが、ダウンで『寝かせる』という言葉がキーワードになっています。

 

ちょっと前に『シャフトを前倒せ』と言っている人がいたのに、今度は『後ろに倒せ』と言われて混乱している人も多いことでしょう。

 

結論から言えば、これはどちらが正しいということではなく、どちらも方式としては以前から似たものは存在するスイングタイプの分類なので、自分に向いたものを選ぶことが出来ればベストです。

 

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気をつけなければいけないのは、身体の使い方と、使うクラブに個人差というか合う合わないが出てきます。

シャローに対するものとしてはスティープということになりますが、この双方は細部のところの技術的互換性が低いので両方の『いいとこ取り』をするのはかなり難しいです。早めに自分に向いているかどうかを見極めないとスイングづくりの迷子になりますので注意が必要です。このような過程でスイングを崩したりイップス になったりする理由は次回以降で述べたいと思います。

 

YouTubeでイップス 予防のために、上体の力を使わずに下半身で始動することをテーマにしましたが、下半身の反力を回転に配分するか、上下にも配分するかの方針に関わってきます。(どちらも上体の力感をそのままなるべく使わないのが理想です)




2020/05/03

イップス 対策として『脱力スイング』を最初に取り上げた理由

『脱力スイング』を最初に取り上げた理由

 

 

YouTubeをやり始めるにあたって、比較的軽度のイップス に効果がある『脱力スイング』を取り上げたのには、主に二つの理由からです。

 

一つは、「体性感覚」に基づき、なるべく手先ではなく、下半身や体幹の動きに重きを置くことで、スイングに緊張の影響が伝わりにくくするという目的です。

手先(特に手や指)は、脳におけるかなりのストレージが割り当てられていて、様々な動きがインプットされています。

そのため、不安や躊躇などの感情的なイレギュラーを拾いやすく、誤作動チョイスを起こしやすい部位であると言え、その関与をあらかじめ少なくするという目的です。

 

もう一つは、

「筋紡錘の自然なコントロールを失わないようにするため」です。

スポーツにおける動作学習の難しさは、随意筋の動きのつなぎ合わせでは全く役に立たないということです。

スポーツの動作の質は伸長反射と随意運動のバランスミックスで決まります。

 

随意筋の運動と伸長反射の協調は、運動ニューロンによる筋紡錘の感度調節や、シナプス前抑制によってバランス調節されています。

(シナプス前抑制と伸長反射の関係性などの生理学に関するところは、専属のトレーナーを付けているプロ選手(あらゆるスポーツが当てはまります)は、よく話し合っておく事をお勧めします)

そこになんらかのバランスを崩す要因があると、動きの質は一気に低下してしまいます。

それはには、過緊張や過度のフォーム矯正などによるものが考えられて、身体の動きや道具の慣性が止まったり、伸長反射のタイミングを逸したり、不随意な屈曲反射が起こったりすると、脳はどう動作をコントロールしていいのかわからなくなります。

 

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レッスンプロの部分部分の手取り足取りの指導よりも、肉体の構成要素(骨格、体型、筋肉の質、性別など)の似ているお手本の選手の模倣の方が効果的だったりする場合があるのもそのためです。

 

比較的広く効果があると思われますので、これからも丁寧に説明していこうと思います。

 

https://www.youtube.com/channel/UCI66Xk3PRMKYnbiLJtIT2UA

 

 

 

 

 

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