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2020/01/21
掲載情報(「弾道ビジュアライゼーション」)
『弓の一ツの德は、放つ矢人の目に見えてよし、鐡炮の玉は目に見えざる所不足也、此義能々吟味有べき事』
五輪書の地乃巻にこのような一節があります。
(※訳注 弓の一つの長所は、放った矢の弾道が目に見えることである。鉄砲の弾は(弾道が)目に見えないところが欠点である。このことを、しっかりと調査研究せよ)
弾道をしっかりと観察して次に活かしたイメージをつくることの出来る『弓矢』は鉄砲よりもある意味優れているということを示しています。
『名手は一発で必中させるものである』というイメージがありますよね。
しかしそれは完全な間違いであることがわかります。
名手である前にビジュアライゼーションの『量』があることが前提です。
いかに結果に先んじて、『弾道を観察する』という情報の『量』と『質』によって逆算の因果関係をなぞる経験値が重要であるという事なのかなと解釈しました。
そしてこのようなシミュレーションのフィードバックループを回す事で、やがてフィードフォワードにたどり着きます。
フィードフォワードの段階になれば、論理的思考をスキップして反射的に答えを導き出すことが出来るようになります。
スポーツ選手や、いわゆる『競技』で結果を出すためには必要不可欠のスキルです。
例えば(将棋の)プロ棋士の局面打開は、前頭前皮質よりも尾状核などの脳深部のいわゆる古い脳の血流のほうが活発なことがfMRIで確認されています。
論理的思考をスキップして反射的に局面打開を判断できるようになっている根拠とされています。
優れたルーティーンは、このようなフィードフォワードの呼び水になっています。
そのためのゴルフ向きのルーティーンの構築方法はいずれ詳しく説明したいと思います。
2019/12/29
イップス は『見の目』から始まる 1
サッカーのディフェンスで、一瞬動きがよどんで決定期を作られてしまった時に、
『見てしまった』
と表現する事がよくあります。
武道においても『居つく』という言葉があり、瞬時の判断がスムーズいかず反応が一歩遅れるという現象を表しています。
宮本武蔵はこの状態のことを、
『見の目』という表現をしています。
これに対しては『観の目』という言葉を示していて、五輪書では、
『観の目強く、見の目弱く』と述べています。
『見の目』とは、「素の心境」で「見て」しまうという意味合いが含まれています。
『観の目』とは、「心眼で感じる」「全体像で観察する」「静として捉えず動として捉える(止まっているように見えても止まっているわけではない)」という意味合いが含まれています。
つまり、
「見の目」 「観の目」
「スカラー」 「ベクトル」
「静止画像」 「動画」
という対比であると考えています。
事実、
階段は「見て」しまう事でとゲシュタルト崩壊してしまうのです。
2019/12/08
天才的感覚が蒸発する理由 2
これはパターのアライメントをチェックするための練習グッズです。
(この製品に関しては、別売で肩のラインまでチェックできるアタッチメントもあります)
目的はシンプルに、毎回同じクオリティでアドレスする基準づくりで、
フェイスをターゲットに向けたり、ターゲットラインの真上に目を置いたり、眼のラインや肩のラインをターゲットラインに対して並行にしてストロークすることをチェック出来るようになっています。
トーナメントの練習グリーンなどでもわりとよく用いられるモノです。
しかし使用目的としては、アドレスの偏差を把握するくらいにとどめておきたいです。
なぜなら、これが『自転車のアライメントをニュートラルに修正した』のと同じ作用を引き起こす事があり得るからです。
「メガネのツルの高さ調整」の例を挙げるまでもなく、普通は眼窩そのものの位置関係がずれていたり、背骨や顎がわずかに傾いていたり個人差があることがほとんどです。
自転車で言えばアングルの歪みが全くない状態のように、
肉体で全てをデフォルトで平行に揃えることは難しく、
目のラインをターゲットを向けると他のラインが揃わなくなる傾向を持つプレーヤーの方が多いからです。
この場合、何を優先するかというと、
脳における視覚補完機能は、目のラインとストロークの流れる方向性に矛盾のない事を求めているので、(※脳における視覚補完機能についてはいつか詳しく)
これをまずは最優先させて、
目のラインはターゲットと並行に向けるべきというよりは、目のラインの向きがすなわち「ストロークの順目」の方向をあらわしていると考える方を先にします。
目のラインとストロークの方向性を揃える事で滑らかなストロークが作れる事を確認する作業を優先し、肩のラインやストロークラインが必ずしもターゲットラインと並行でなければならないという事にこだわりすぎない方がいいという事です。
自分本来の『順目』を優先しないと動きの流れが悪くなります。
スポーツのパフォーマンスは、潜在意識によって無意識に脳をフル回転させて高度な認知情報処理をしています。
このようなスポーツ動作の細部の動きを断片的に解析して顕在意識で意識的に管理しようとすると機能不全を起こすことがあります。(イップスのきっかけのひとつ)
これは誰かが証明するまでもなく、脳の仕組みとしては至極当然のものだと考えています。
これはゲシュタルト崩壊のプロセスと全く同じでもあります。
動きには流れがあり、『今』ある動きは前の動きを受けた影響の連続性の中にあります。
流れには「時間」と「空間」の要素があります。
この『流れ』を止めて断片的にとらえたりすることが「時間』」の流れを止める事になり、「空間」としては『流れ』の方向性に逆らったり、流れとは違う方向に無理に動かそうとする事で結果として機能低下が起こります。
流れの方向性は芝目でいう『順目』のようなものです。
プレーヤーそれぞれの『順目』を持っています。
その『順目に乗せていく』事がそのプレーヤーの感覚を最大限に引き出す事につながります。
ここを忘れて、客観的数値を追い求めすぎると、
魔法の感覚をあっさりと失ってしまう事があります。
2019/11/26
天才的感覚が蒸発する理由(仮説)
トーナメントで活躍するレベルの最近の若いツアープロのほとんどは、小さな頃からゴルフを始めています。
高校を卒業する頃にはゴルフ歴10年前後のある意味『ベテランゴルファー』になっています。このくらいの時期からより高いステージに行くために精度を上げていく取り組みを開始します。
ところが、感覚が鋭敏な即座習得期に編み出した自分なりの「golf my way」によって小中学生の頃から自由自在にできていた『魔法の感覚』が、20歳を過ぎたあたりから、だんだん薄れてきて自信が失われていくというような話はこれまで山ほど聞いてきました。
これは、気のせいなのか、感覚の劣化なのか。
どういうことなのだろうということは常々考えていましたが、イップス の研究をするうちに、ある1つの因果関係を確認しています。(もちろんこれが全てではなくいくつか考えられる要素の1つにすぎませんが)
※
《子供の頃から乗り慣れて自在に操ることのできる自転車をある日、友達に貸した時友達にこう言われた。
「この自転車ハンドル曲がってない?ハンドルまっすぐにするとどんどん左へ行くんだけど…」
なるほど、言われてみれば車輪に対してハンドルが曲がっているような気がする。考えたこともなかったけど。
自転車屋さんに行ってすぐにハンドルと車輪のズレを修正して乗ってみたら、今度はハンドルをまっすぐにしているはずなのにだんだん右へ右へ行くようになってしまった。
しかも乗っていてかなり違和感がある。
再度自転車屋さんに持ち込み事情を話したところ、
「フレームが歪んでいるのかもしれませんねぇ。何か強い衝撃を与えたりしませんでしたか?」
こんなこともあるのかなという事で、フレームの歪みをできる限り直してもらった。
これで、自転車のアライメントは概ね改善されたはずなのに、なんとなく違和感の残る乗り味になった、、、、、、》
※
このような感じで、以前は完全に身体の一部のように乗りこなしていたしっくりくる感覚が失われることがあります。
この場合、因果関係で考えられることは2つあります。
1つは、アライメントの歪んだ自転車に知らずに長年乗ってきてそれに完全に乗り慣れていて、身体の一部のように自然に乗りこなせるようになっていた。そのため自転車のアライメントをニュートラルにすると違和感を感じるようになる。
2つ目は、
この自転車のアライメントの歪みは
持ち主の身体的なアライメントの歪みと偶然にも噛み合って、本人にとって最高にコントローラブルな自転車となっていた。
(※道具が手に馴染むように一緒に変化することも考えられますね)
これは、
本人のまっすぐと、
友達のまっすぐと、
自転車屋さんのまっすぐと、
客観的な精密の数値のまっすぐ、
という色々な基準が存在することで良く起こる事です、
自転車はある意味、工業公差の範囲内で制作される機械なので客観的数値的な基準によせていくという事になります。
しかし、身体(肉体)の場合は感覚(身体感覚)を含めてその偏差を即座に揃えようとするとなると容易ではありません。
実はゴルフにもこういうことが起こっていたりすることがあります。
例えばこういったものを使うとはっきりしたりします。